私たち株式会社プレイノベーションは「探究型問題解決」に強みを持つデザイン・エンジニアリング・ファームです。
東日本大震災後に大規模で複雑な問題を抱える福島の地で、創業から一貫して、答えのない問題と向き合ってきました。
その中で私たちが培ってきた「探究型問題解決」の実績と経験を糧として、
答えのない問題に挑戦するお客様を全力でサポートしております。
ここでは私たちが考える「探究型問題解決」についてご紹介させて頂きます。
1. 問題とは
そもそも問題とは何なのでしょうか?私たちは問題を「現状(As is)と理想(To be)の差分(Gap)」と考えております。
理想(To be)は、企業経営やビジネスの現場の文脈で「ビジョン」と言い換えることができると思います。企業として目指す将来的な姿である経営ビジョンをはじめ、新規事業のビジョン、DXのビジョン、プロダクトのビジョンなども含まれます。
それらのビジョンが実現できている状態と現在の状態には「差分」があります。この差分を私たちは問題と呼んでいます。
2. 問題を定義するためには
理想を定義することが必要
言い換えればビジョンを定義しなければ問題は発見できないことになります。従って企業経営者をはじめ新規事業担当者、DX推進担当者はビジョンを定義することが役割となってきます。
実現したいビジョンを設定し、そのビジョンを実現するための現状をしっかりと把握することが重要なのです。
3. 問題解決とは?
次に問題解決を考えてみます。問題解決とは一言でいうと差分を解消することと言えます。
そして、その差分を解消する手段が解決策であり、その解決策を創出し、実行することで、理想の状態を実現することができます。
4. 問題解決の分類
ここからは問題解決の分類について説明をしていきます。問題解決には大きく3つの分類があると私たちは考えています。
4.1 実行型問題解決
「実行型問題解決」は問題も解決策も既に存在する問題解決の状態です。問題解決の難易度は低く、標準化・マニュアル化しやすい問題解決の分類です。今後AIやロボットが対応する可能性が高い問題解決の領域と言えるでしょう。
4.2 創出型問題解決
「創出型問題解決」は問題は存在するが、解決策が存在しない状態です。従って解決するためには解決策を創出する必要があります。実行型問題解決より難易度が高いといえます。
4.3 探究型問題解決
「探究型問題解決」は問題も解決策も存在しない状態です。問題を発見するところから始める必要があり、3分類の中で一番、難易度が高い問題解決の分類です。
前述の通り、理想あるいはビジョンを定義しなければ問題は発見できません。従ってビジョンの定義や問題の発見が探究型問題解決の領域には含まれます。
テクノロジーの進化をはじめとした変化の激しい現代において探究型問題解決こそが今後、人間が果たす役割であると私たちは考えています。
5. 探究型問題解決のポイント
私たち株式会社プレイノベーションは、東日本大震災後に大規模で複雑な問題を抱える福島の地で、創業から一貫して、答えのない問題と向き合ってきました。
上記に挙げた答えのない問題は、その一例です。
また、昨年2022年には探究をテーマにしたコンセプト検証としてクラウドファンディングを実施することに加え、20年後の福島を題材にした実験的プログラムFukushima & Company β版を実施しました。
そのような取り組みの中で私たちが培ってきた「探究型問題解決」において重要なポイントを以下に列挙します。
5.1 チーム学習
答えのない問題は、簡単には答えが導き出せないものが多数存在します。
その状況を乗り越えていくためには、顧客と取引先、経営者と従業員、ゼネラリストとスペシャリストのような組織や立場、職種の垣根を超えて探究するためのチームが必要です。
チームが一丸となり、問いを立て、考え、カタチにする。そして改善を繰り返しながら学んでいくことが重要であることを私たちは実践を通じて体感しています。
5.2 良質なプロセス
良い成果を生み出すためには良いチームと、質が良いプロセスが必要だと私たちは考えます。
例え、同じ答えや解決策にたどり着いたとしてもプロセスが良くなければ、共感が生まれません。
どれだけ個人として優秀であっても、答えのない問題に対して一人では答えをつくれません。仮に自分にとっての答えが出せたとしても、周りが動いてくれなければ物事は進みません。
チームメンバーが主体性を持って関わるためには「なぜ、やるのか?」、つまり”Why”からチームで共有することが必要不可欠です。だからこそ、問いを立てるところからチーム一丸となって取り組むことが重要だと経験を通じて思うようになりました。
”Why”から始まる良質なプロセスをデザインすることが、探究型問題解決には特に求められます。
5.3 問いのデザイン
答えのない問題と向き合う際には、チームメンバー全員の創造力を総動員する必要があります。
一人一人の思考を躍動させるためには、それぞれの好奇心を刺激する問いをデザインすることが重要です。
問いの立て方や立てるタイミング、シチュエーションによって出てくるアイディアは大きく変わります。
また、ビジョンを定義する際にも問いは力を発揮します。
- 問題を解決することで世の中にどのような変化が生まれるのか?
- 20年後にどのような問題が世の中で注目されているのか?
- なぜ自分はその問題を解決したいのか?
例えばの問いではありますが、好奇心が刺激される方も多いのではないでしょうか?
探究型問題解決において、問いのデザインは最も必要な技法とも言えるのかもしれません。
5.4 クイックでスモールな検証
どのような素晴らしいアイディアが生まれたとしても実現しなければ絵に描いた餅となってしまいます。
とはいえ、最初から時間やお金、手数かけてアイディアを実践したとしても、上手くいかないことが往々にあります。
どんなに問題を解決する情熱を持っていても、上手くいかないことが続いていくとモチベーションも資金も尽きてしまい継続が難しくなります。
答えのない問題と向き合う際には、アイディアを可能な限り素早く、そして時間やお金、手数を最小化した形で検証することが重要です。
クイックでスモールな検証で手応えを感じることができたら、次のステップとして少しずつ時間やお金、手数を増やしていくことが探究型問題解決を継続し、最終的には成功させるための最短距離だと考えています。
6. さいごに
近年、日本企業のイノベーション力が低下しているという声をよく聞くようになりました。戦後に構築された日本の社会システムの制度的疲労が一因なのかもしれませんが、もしかすると「出る杭は打たれる」のような日本人特有の文化的要因も一つかもしれません。
探究型問題解決という考え方を世の中の当たり前にすることで、答えのない問題に挑戦する探究人口を増やすことは、日本のイノベーション力向上に資すると私たちは信じています。
私たちにとって未知の領域も大きく、背伸びをした挑戦なのかもしれません。
しかし、私たちが、創業以来10年をかけて蓄積してきたことを十二分に活かしつつも、答えのない問題に対して挑戦し、私たち自身が「探究」を楽しみながら取り組んでまいります。
今後も探究型問題解決に関して日々、試行錯誤しながらブラッシュアップを重ねています。
もし、ご共感いただけましたら、是非この取り組みをご一緒できれば嬉しいです。ご興味ある方がいらっしゃればお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
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